「なんだか最近お肌がくすむ」
「繰り返す肌荒れを何とかしたい」
「ビタミンCが肌にいいって聞くけどよくわからない」
こんな悩みや疑問を持っていませんか?
「ビタミンC」には種類がいくつかあり、それぞれでお肌へのアプローチ方法が違います。
この記事ではコスメコンシェルジュ(化粧品や肌の仕組みを理解し肌悩みに対して的確に提案できる化粧品の専門家)の筆者が、ビタミンCの種類や肌にもたらす効果などをお伝えしていきます。
ビタミンCのはたらきを知り、今よりも若々しく健康的なお肌を目指しましょう!
ぜひ最後までお読みください。
【健やかな肌へ!】ビタミンCとは?効果6選
そもそもビタミンCは肌に対してどのような肌悩みに効果があるのでしょうか。
1.しみ・くすみ
メラニンの生成を抑え、しみをできにくくしたりすでにあるシミを薄くします。
肌の仕組みを説明します。
肌は、紫外線に無防備にさらされると自らを守るために、肌の中でメラニンという色素を作り出します。
メラニンは肌の細胞を保護するために働きますが、過剰に生成されてしまうとしみやくすみの原因となってしまうのです。
ビタミンCはそんなメラニンの過剰な生成を抑えることができます。
これからしみとして肌表面に出てくる予定の未来のしみや、今あるしみも薄くし、肌全体をパッと明るく見せる効果もあります。
ターンオーバーの周期を整えることもできます。
しみやくすみを予防しながら薄くしてくれるのは、とても嬉しいですね。
2.しわ・たるみ
肌のハリや弾力を支える真皮層のコラーゲンの生成を促したり、エラスチンの破壊を防ぐはたらきがあります。
コラーゲンやエラスチンは肌の老化を進める「活性酸素」によって減らされます。
特にエラスチンは一度壊れると自己再生ができません。
※活性酸素とは:呼吸によって体の中に取り込まれた酸素の一部が紫外線や炎症反応などによって通常よりも活性化されたもの。それが体内の鉄分と結合したりすることで肌や体を酸化させ、様々な不調をもたらす。
ビタミンCは、肌を酸化から防いだり軽減してくれる抗酸化作用があるので、コラーゲンやエラスチンの生成をサポートしたり活性酸素からエラスチンを守ってくれます。
結果、弾力やハリのある肌に導いてくれるということです。
3.乾燥
コラーゲンなどのほかにも、ビタミンCは肌のうるおいを保つのに欠かせないセラミドという成分の合成もサポートします。
保水力を強化し、乾燥しらずのうるおいに満ちた肌に導いてくれます。
4.毛穴
毛穴からは皮脂が分泌されます。
その皮脂が肌の上で酸化することで毛穴の黒ずみの原因となります。
ビタミンCは皮脂の酸化を予防し毛穴の黒ずみを防ぎます。
さらにそれだけではなく、詰まり毛穴や開き毛穴の原因となる皮脂の過剰分泌も防いだり、コラーゲンの生成をサポートすることでたるみ毛穴にも効果的です。
キメも整えてくれるなど、毛穴悩みにマルチに対応してくれます。
5.ニキビ・ニキビ跡
ビタミンCには皮脂分泌を抑制させる効果があります。
ニキビは肌の皮脂が酸化しそれが毛穴に詰まりアクネ菌が繁殖することで引き起こされます。
つまり、皮脂抑制効果により皮脂の過剰分泌を抑えてくれることでニキビの発生自体を防ぎます。
できてしまっているニキビの鎮静化も期待できますので、今あるニキビにもこれからできるはずだったニキビにもアプローチしてくれるんですね。
6.紫外線から保護
肌老化の原因の8割は紫外線といわれています。
(紫外線により体内に活性酸素が生まれる→活性酸素が肌トラブルの原因を生み出す→肌トラブルが起こる)
ビタミンC配合スキンケアの使用タイミングは朝と夜の両方がおすすめです。
朝は紫外線によるダメージを減らし、夜は受けたダメージを修復する働きがあるためです。
ただ、時間や金銭的な理由などで朝と夜両方使うのは難しいという方は、肌トラブルの原因をそもそも生み出さないために朝に使用し、紫外線から肌を守りましょう。
ビタミンCの種類は2つ!肌への効果の違いとは
1.ビタミン誘導体
様々な効果を持つビタミンCですが、そのままの状態では不安定で酸化しやすいというデメリットがあります。つまり、化粧品などに配合したとしても酸化しせっかくの効果が減少してしまうということです。
そこで登場するのが「ビタミンC誘導体」です。
ビタミンC誘導体とはビタミンCとほかの分子をくっつけることでビタミンCの安定性を高めたものです。
これにより、化粧品中に存在しているときは酸化せず安定した状態を保ち、肌に触れると肌に存在する酵素の働きによって分子が離れ、ビタミンCとして肌へ働きかけます。
ただ、弱点は2つあります。
1つ目は、分子をビタミンCにくっつけていることで大きさが元のビタミンCの2倍~8倍になってしまっていることです。
ビタミンC誘導体の濃度は実際のビタミンCの濃度に揃え計算してみると、低くなってしまっています。
2つ目は効果を発揮するまでに時間がかかることです。
ビタミンC誘導体は分子から切り離されることでビタミンCとして働き始めますので、切り離される時間分、肌に効果が行き届くには時間がかかります。
ビタミンC誘導体にはいくつか種類があります。種類や特徴は以下の通りです。
種類 | 成分名 | 特徴 |
水溶性 | L-アスコルビン酸2‐グルコシド | ビタミンC+ブドウ糖酸化に強い持続性が高い |
リン酸アスコルビルMg | ビタミンC+マグネシウム肌への浸透力が高い | |
油溶性 | テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコルビル | ビタミンC+イソパルミチン酸肌なじみがよくしっとりしている |
ステアリン酸アスコルビル | ビタミンC+ステアリン酸抗酸化剤として食品にも配合される | |
両親媒性 | パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na | ビタミンC+パルミチン酸水と油どちらにもなじみやすく浸透力が大変高い |
2.ピュアビタミンC
一方、ビタミンC誘導体と違い何も分子がくっついていないビタミンCをピュアビタミンC(アスコルビン酸)といいます。
ビタミンC誘導体とは違い、肌に塗った瞬間から効果を発揮することから、別名「活性型ビタミンC」「即効型ビタミンC」といわれています。
肌に紫外線が当たるとすぐに肌ダメージが引き起こされます。その点では塗った瞬間から効果を発揮してくれるのはうれしいことですね。
ピュアビタミンCの弱点として
- 浸透性が悪い
- 安定性が低い
などがありますが、近年の研究で克服されつつあります。
技術のますますの発展に期待ですね。
ビタミンCが含まれる商品を使用する際の注意点
保存方法
空気や光によって劣化したり変化しやすいため、できるだけ空気に触れない容器で保存したり、直射日光を避けて涼しいところで保存することが大切です。
商品によっては使用期限が設けられているものもありますので、よく確認するようにしましょう。
濃度高すぎるとぴりつく
ビタミンCは高濃度であればあるほど肌深くに浸透し大きな効果が期待できます。
ですが高濃度になればなるほど肌がぴりつく可能性があります。
ご自身の肌状態と求める効果を天秤にかけ、肌状態に合った商品を選択してください。
「塗る」と「飲む」で効果UP
肌悩みを解消したいと思うと、ついビタミンCを肌に塗ることだけを想像してしまいがちですが、実は飲んだり食べたりと経口摂取することも大切です。
体の内側と外側から美肌へアプローチするということですね。
気軽に摂取するという点ではサプリメントが思いつくかと思います。
場所を選ばずにいつでもどこでも使用できるのがメリットですが、それだけではなく野菜・果物から摂取するのが理想です。
ですので、食事からの摂取を中心に、不足分はサプリメント等で補うという考えが理想的です。
また、食品中に含まれるビタミンCは水溶性です。
体内にためておくことができず、2~3時間で体から流れ出てしまうといわれていますので、こまめに摂取することが理想です。
成人の1日の推奨摂取量は最低100mgといわれていますが、美肌を目指す方やストレスが多い方、喫煙する方などは1000mg前後の摂取が望まれます。(レモン50個分)
※ビタミンCはストレスや喫煙などで失われやすいといわれています。煙草を1本吸うと体内のビタミンCは25mg失われるそうです。
ただ、ビタミンCは肌だけではなく臓器など体の重要な部分に優先して供給されるため、血液にのって肌に十分な量のビタミンが届くのは難しいといわれています。
ですので、やはり美肌のためには直接肌にビタミンCを塗るのが効果的というのは変わりないですね。
健康にもいい?ビタミンCのはたらき
ビタミンCを経口摂取すると肌以外にも体に良い影響があります。
病気を防ぐ
疲労やストレスが緩和され病気の予防になるともいわれており、疲れにくくなったり免疫力アップも期待できます。
精神的なストレスが起こると体内でビタミンCが多く消費されます。ビタミンCはストレスによる抑うつ状態や不安を予防する効果があるといわれています。
また、皮膚や腱、軟骨、あらゆる臓器などの構成にコラーゲンは欠かせません。ビタミンCが十分に体内にあるとコラーゲンの生成が十分され、壊血病や神経異常を防ぐことができます。また、活性酸素によって引き起こされるさまざまな病気を防ぐことができます。
心も体も守ってくれるビタミンC。大変心強いですね。
体がさびない
先ほどもお伝えしましたが、ビタミンCには活性酸素を除去する抗酸化作用があります。
老化や体の不調を防ぎ、様々な健康効果を発揮します。
経口で摂取すると、抗酸化作用は体全体に及びますので、より健康的に過ごすことができそうですね。
ビタミンCだけじゃない!注目のビタミンや相乗効果を期待できる美容成分
ビタミンC以外にも、美肌へ導いてくれる美容成分があります。
それは
- ビタミンA(レチノール)
:しわ改善効果が認められている成分。コラーゲンやヒアルロン酸の生成を助ける。 - ビタミンB3(ナイアシンアミド)
:しわ改善やブライトニング効果、バリア機能修復作用をもつ。 - セラミド
:肌に潤いをため込むはたらきがある。 - グリチルリチン酸ジカリウム
:皮脂による炎症などを抑える。 - サリチル酸
:肌の余分な角質を除去してくれる。
です。
どれも単独で効果を発揮しますが、ビタミンCと共に使用することで相乗効果が期待できます。
ぜひ日々のスキンケアに取り入れてみてください。
ビタミンCで健やかな肌へ
ビタミンCには様々な効果や種類があることがわかりました。
特に肌や体にもたらす効果は数多くありましたね。
ご自身のお悩みや目的に合ったビタミンCを見つけ、肌からはもちろん野菜・果物やサプリメントを通して積極的に摂取し、健やかな肌づくり・体づくりをしていきましょう。