スマートフォンの普及も相まって、肩こりに悩まされる人は年々増えています。
そもそも肩こりの症状は、首~肩~背中にかけて
- 張る
- 凝る
- 痛みがある
以上のようなものを指します。みなさんはどの症状が当てはまりますか?
厚生労働省の「2022年 国民生活基礎調査」によると、肩こりは日本人が日常生活で自覚してる体の不調の中で男女ともに腰痛につづき2位であることがわかっています。
まさに国民病といえますね。
そこでこの記事では
- 肩こりの原因と予防方法
- 肩こりの5つの解消法
- 肩こりに隠される病気の影
以上について解説していきます。
この記事を読めば今日から肩こりに対する意識がより一層高まることと思います。
ぜひ最後までお読みください!
【知ってる?】肩こりの主な原因はこの7つ
肩こりの主な原因は
- 連続した同じ姿勢
- 姿勢が悪い
- 運動不足
- 精神的なストレス
- 血行不良
- 眼精疲労
- なで肩
といわれています。
皆さんの中にも、「この中で心当たりがある項目がある」という方は多いのではないでしょうか。
当てはまるものが多ければ多いほど慢性的かつ症状も重くなりがちです。
それでは肩こりにならないようにするためにはどのようにしたらよいのでしょうか。
【まずはこれ!】肩こりの予防方法5選
1.同じ姿勢を長く続けない
同じ姿勢でい続けるとどうしても体が緊張し筋肉が凝り固まります。
肩こりは肩回りの筋肉が緊張して血行が悪くなり、筋肉の中に乳酸などの疲労物質がたまることで症状として現れます。
ですから勉強やパソコン作業などで同じ姿勢を続ける状況の際は、ご自身で「〇分に一回は肩を回す」「〇分おきに立ち上がって伸びをする」などルールを決めるとよいでしょう。
2.正しい姿勢を習慣づける
最も肩こりになりやすい姿勢は猫背です。加えて反り腰や胸を突き出す姿勢も肩こりを招くので注意が必要です。
人間の体の構造上、頭は首だけで支えられています。そのため、頭の重みはダイレクトに首と肩回りにのしかかります。
首が前に出ているなど正しい姿勢をとれていないと肩こりの原因になりますので、背骨と首と頭のラインはまっすぐに、頭の先が天井から糸でつるされているイメージで過ごすよう心がけてみてください。
立つときはひざを伸ばしおへその下に力を入れ、骨盤を立てます。そして軽く肩甲骨を後方にひきます。
座るときは少し浅めに腰をかけ足の裏を地面にしっかりつけ、おへその下に力を入れ骨盤を立てます。背筋を伸ばし、さらに目線が下がりすぎないよう調整するのがポイントです。
3.適度な運動やストレッチ・トレーニングを行う
特に女性は男性と比べて肩回りの筋肉が弱い傾向があります。さらに筋肉疲労の回復にも時間がかかるといわれています。そのため症状が出やすいのです。また、正しい姿勢でい続けるためには筋肉が必要不可欠です。
予防方法としては肩回りや背中の筋肉を鍛えるトレーニングを行ったり、ストレッチを通して血流を促すことが大切です。
「肩こり予防 筋トレ」と検索するとペットボトルを使用したもの、座りながらできるものなど様々なトレーニング動画がでてきますのでぜひ参考にしてみてください。
また、運動は筋肉を動かすことのほかにストレスの解消にも効果的です。
散歩やウォーキングなどの軽い運動も取り入れやすいですね。
ただ、普段運動をしない人が突然激しい運動をすると逆に体を痛めてしまう可能性もあるため、ご自身に合った運動量や方法で試してみてください。
4.肩を温めて血行を良くする
蒸しタオルやカイロなどを使用して肩を温めるのもよいでしょう。
※蒸しタオルのやり方(やけどに注意して行いましょう)
- タオルを水にぬらす
- 1.のタオルをかたく絞り電子レンジで温める(目安は500Wで20秒程度)
- 温まったタオルを肩回りに巻く
最近だとインターネットやドラッグストアにて肩や背中専用のカイロが販売されています。温めることで血行が促進され、肩こりを予防することができます。
また、シャワーだけで済まさずに湯船につかるのもよいでしょう。その際肩にお湯をかけもみほぐしてあげるとなお効果的です。
体を温めリラックスすることで体の疲労を軽減することもできるので、ぜひ実践しましょう。
夏場はエアコンによる冷えにも注意です。
5.くせを見直す
かばんをいつも同じ肩にかけていたり、自宅でテレビを見る際に体をねじっている、足を組むくせがあるなど、普段生活していると気が付かないようなくせは誰にでもあるものです。
今一度、ご自身のくせと向き合い、無意識に体をゆがませたりかたよった筋肉をのみを使用していないか見直してみましょう。
【必見!】肩こりの5つの解消法
実際に気を付けていても肩こりになってしまうことはあります。
その際は以下の5点を実施してみてください。
1.マッサージ療法
肩回りの筋肉の血行を改善させ、筋肉の張りや緊張をやわらげる方法です。
ご自身で実施するのはもちろん、家族やプロのマッサージ師にお願いするのもいいでしょう。
最近ではマッサージグッズが多く販売されています。患部を押すタイプ、寝ころがりながら使用するタイプ、ボールを使用するタイプなど様々な種類があります。
ご自身にあった方法やグッズで取り組んでみてください。
2.運動療法
有酸素運動で体内に酸素を取り込むことで血行を促進します。
こちらの運動療法は1回きりの実施だと効果が期待できません。
継続的に行うことで徐々に肩回りの調子に変化が起きます。
また、楽しくないと続けることは難しいですよね。
有酸素運動といってもウォーキング、ランニング、サイクリング、水泳など種類は様々ですので、楽しく続けられそうなものを選択してください。
3.温熱療法
予防法でもお伝えした方法です。
患部を蒸しタオルやカイロ、入浴で温めることで筋肉の緊張をやわらげます。
ほかの解消法と併用することで効果を高めますので、マッサージ療法+温熱療法など組み合わせて実施してみてください。
肩こりがつらく寝つきが悪い・熟睡できないという方は寝る前に実施するのもおすすめです。
4.薬物療法
医薬品には
- 血行を促進するタイプ
- 筋肉をほぐすタイプ
- 炎症や痛みを抑えるタイプ
などがあり、目的によって様々な選択をできます。
剤形も多々あるので下記で特徴を確認しご自身に合ったものを選択してみてください。
メリット | デメリット | |
湿布 | ・患部に密着しているためダイレクトに効果を発揮する | ・臭いが気になる場合がある・患部の場所によっては一人で貼りにくい・かぶれやすい場合使えない |
塗り薬 | ・患部に直接塗ることができダイレクトに効果を発揮する・液体や軟膏など様々な剤型があり好みによって選択できる・かぶれの心配が少ない | ・臭いが気になる場合がある |
内服薬 | ・症状に合わせて選ぶことができる・さまざまな効果のある成分を一度に摂取できることがある・飲むだけなので臭いなどを気にしなくて済む | ・飲み忘れの可能性がある |
ほかにも、病院やクリニックでは注射を伴う治療もあります。
ご自身の痛みの程度や目的に合わせて選択しましょう。
5.安静
あまりに症状が重い場合は肩こりの原因となる動きや姿勢を取らないことも大切です。
だからといって、デスクワークの方が仕事を休まなければいけないのか、といわれるとそれは難しいですよね。
そのため、私生活の中で可能な限り肩に負担のかからない姿勢をとる時間を長くすることが大切です。
【こんな時は病院へ】肩こりは大きな病気のサイン?
肩こりは、肩関節疾患、頸椎疾患、頭蓋内疾患、高血圧症、狭心症、眼疾患、耳鼻咽喉疾患、更年期障害、歯周病などの2次症状として発生することもあります。
病気のサインを見逃さないためにも、本記事の「肩こりの原因」に心当たりのない方や、肩回り以外のほかの体の箇所に少しでも不調を感じる場合は病院へかかってみてください。
肩こりになりにくい好循環あふれる体づくりを
ここまで肩こりの予防方法や解消方法について解説してきました。
様々な原因が重なって引き起こされる肩こり。
肩こりの症状がすでにある方は、症状を解消してから再発を予防し、肩こりにならない好循環あふれる体づくりをすることが大切です。
ぜひ皆さんのできることから取り組んでみましょう。